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​​第3回CSI統計研究会『サービス産業の重要性とその統計整備を巡る課題~企業向けサービス価格指数の視点から~』

日程:2012年1月31日16:00~18:00
場所:立教大学 池袋キャンパス 12号館 2階会議室
講師:亀田制作氏(日本銀行 調査統計局 物価統計課長)
題目:『サービス産業の重要性とその統計整備を巡る課題~企業向けサービス価格指数の視点から~』
企画:菊地進 (立教大学経済学部教授)
参加者:学内外より8名

第3回CSI研究会概要

記録作成:政府統計部会
菊地 進(立教大学 経済学部 教授)
鈴木 雄大(同経済学研究科博士後期課程)

今回で3度目の開催となるCSI統計研究会では、日本銀行の亀田制作氏に上記のテーマで報告していただいた。​

(報告概要)

1、はじめに
今回は、サービス産業の実態把握の重要性と実際の測定に伴う困難性、そしてそれらの困難性を伴うサービス産業の実態把握をどのように行っているのかについて、日本銀行が作成・公表している企業向けサービス価格指数(CSPI)を題材にお話したい。日本銀行は主として2つの物価統計を作成している。それらはCGPI(企業間取引のモノの価格指数)とCSPI(企業間取引のサービスの価格指数)である。CGPIの2010年基準改定は昨年12月に最終方針を発表しており、今年夏の改定結果公表を目指している。その後、CSPIの2010年基準改定の本格的な作業に入る予定である。今回の研究会では、日本銀行としてこれから大きな見直しにトライするCSPIを敢えて取り上げたい。日本のサービス統計は、物価統計に限らず、まだ十分に整備されているとは言い難い状況にある。もっとも、経済センサスの開始などに伴いサービス統計拡充の方向も明確になってきているため、日本銀行としても、サービス統計全般を良くしていくとの気構えで企業向けサービス価格指数の作成に取り組んでいる。

報告の構成は以下のような形になっている。
(1)サービス産業の実態把握:その重要性
(2)サービス産業の実態把握:その困難性
(3)企業向けサービス価格指数(CSPI)の概要
(4)サービス価格をどのように測るべきか
(5)より良い統計の提供に向けて

2.サービス産業の実態把握:その重要性
 サービスの価格指数はサービス部門のGDP等のデフレーターとして利用される。すなわち、名目のサービスの売上高やサービス生産額を、サービスの価格指数で割ることで、サービスの実質生産額、実質生産性を把握することができる。したがって、サービスの価格指数を作成することは、サービス部門の実質GDPを測ることに直接つながる。こうしたことから、本日のお話はサービス産業の実態把握の重要性から始めたい。なお、2009年11月に開催された日本銀行と東京大学の共催のコンファレンスでも、サービス部門の生産性を計測することの難しさや、サービス統計の整備の必要性についての認識が示された。私自身が当時このコンファレンスを主催する立場にあったこともあり、今回はそこでの議論や知見も合わせて紹介したい。

サービス産業のシェアと生産性
 当たり前の事実であるが、日本経済の7割が第3次産業である。一般的に日本の経済は製造業中心に語られることが多いものの、全体に占めるウエイトの大きさからみて、サービス部門の重要性は明らかである。また、サービス部門の生産性水準、あるいはその上昇率が低く、日本経済全体の成長戦略上もサービス部門が重要であるという指摘がある。実際、RIETIが一橋大学と共同で開発したJIPデータベースを利用して、製造業と非製造業の時間当たり労働生産性上昇率を比較すると、1980年~2006年までの各局面においては一貫して非製造業の方が製造業よりも低いという結果が得られる。ただし、サービス産業の生産性を他産業と比較する時には、実質ベースの生産性だけでなく、雇用吸収力や名目ベースの生産性あるいは収益力も合わせて総合的に判断しなければならない点には留意が必要である。

サービス産業と製造業部門との相関
 たとえ非製造業がマクロ経済全体で大きなウエイトを占めていると言っても、その実際の動きは製造業の動きに大きく依存していることがしばしば指摘される(例えば運輸業では、製造業の生産が活発になり、モノが動くようになれば輸送需要も増える)。このことから、景気の判断についても、鉱工業指数など製造業中心の統計・指標を追いかけることが常道となっている。
 確かに、日本の経済では、自立的なサービス部門が数多くは存在しないため、景気全体が製造業部門に引っ張られがちになる傾向はある(これに対して米国では医療産業や金融業等、製造業に強く依存しないサービス産業のプレゼンスが高い印象がある)。しかし、そうした日本経済の特徴と考えられている面も、もしかするとサービス産業の統計が十分には整備されておらず、製造業の動向にあまり依存しないサービス部門の存在を捉え切れていないためではないだろうか。サービス統計が拡充されていけば、本当の意味での日本経済の姿がより鮮明に見えてくるとも考えられる。

3.サービス産業の実態把握:その困難性
 次に、サービス産業の実態把握が如何に重要と言っても、実務的には大変困難であることを述べたい。困難な理由は、主に次の3つにある。第一は名目産出額そのものの計測が困難であること、第二は仮に名目産出額が捉えられたとしても、それを実質化することが困難であること、第三にサービス部門の統計データが未整備であることである。

4.企業向けサービス価格指数(CSPI)の概要

CSPIの調査段階等
 CSPIは「企業間取引段階」の「サービス」の価格をカバーしている(CGPIは「企業間取引段階」の「モノ」の価格を、CPIは「消費者段階」の「モノおよびサービス」の価格をそれぞれカバーしている)。CSPIは、サービス化が進む日本経済の現状を踏まえると重要な統計であり、1991年に公表を開始した比較的「若い」統計である。

CSPIのカバレッジ
 CSPIは7つの大分類、20の類別、49の小類別、137の品目から構成される。CSPIの品目数は、開始当初の1985年基準で74品目であったものが、2005年基準では137品目となっており、2倍弱まで増えている。CSPIのカバレッジは、基準改定のたびに引き上げているが、それでも現状では企業向けサービス全体の5割程度にとどまる。特に商業マージンの取り込みが難しく、検討課題のひとつである。卸、小売業は仕入価格と販売価格の間でいわゆる「サヤ」を稼いでおり、この「サヤ」が卸、小売サービスの提供する付加価値であると考えられるため、概念上はこれをサービス価格と捉えることになる(例えば、卸業者の行う在庫管理サービスが彼らが顧客に提供する付加価値である)。
 商業マージンはCSPIで取り込めていないサービスのうち最大のものとなっている。しかし、こうしたサービス価格の概念は日常生活において認識しにくいものであるため、実際の物価統計に取り込んでいくことがよいかどうかの判断は難しい。また、実務的にも、個別の商品ごとにかけられているマージンを継続的に調査することは極めて難しいと思われる(例えば、衣料品のうちセーターだけにかかるマージンを取り出して毎月把握できるだろうか)。概念的な困難性だけでなく、実務的な困難性が存在する。

CSPIの基準改定
 CSPIはCGPIやCPIと同様に5年に1度基準改定を行っている。そこでは、基準年の更新以外にもウエイトの更新や品目の改廃、調査方法の改善・見直しを行っている。また、大きなフレームワークの見直しを行うのは5年に1度の基準改定の時になるが、統計の見直しタイミングはそれだけにとどまらず、銘柄と呼ばれる個別のサンプル価格の内容変更は、代表的な取引の変化などを反映して、ほとんど毎月のように行っており、統計の中身の改善には常に努めている。

CSPIの動向
 CSPIの総平均の動きを長い期間でCGPIの総平均と比較しつつ確認すると、CSPIは80年代後半から90年代初にかけてのバブル経済期の上昇幅がCGPI以上に大きく、日本のバブル経済が非製造業中心であったことが改めて分かる。その後、失われた10年、15年ではCGPIと同様に継続的に下落していった。2000年代前半は、新興国の経済成長に伴う日本の好景気から多少上昇したが、2008年秋のリーマンショックを境に下落に転じた。その後は、ズルズルと緩やかな下落を続け(サービス価格は改訂期が4月や10月に集中することが多く、モノの価格に比べてゆっくりと動く特徴がある)、足もとで漸く下げ止まっている。前年比の内訳をみると、全体のサービス価格を下(マイナス方向)に引っ張っている代表的な分野は「不動産」であり、これはオフィス賃料等が下がり続けていることによる。
 サービス価格の中身は、その多くが賃金だと言われることが多い。実際、CSPIのコスト構造をみると、CPIのサービスと同様、雇用コストの比率が高い。しかし、賃金比率が高いために短期的な景気循環との連動性が薄まるかというと、実はCSPIの場合、CPIのサービスと比べても、また、CGPIと比べても、景気(GDPギャップ)との相関は高いことが知られている。これは、企業向けのサービスの場合、例えば景気が悪化すると企業収益も悪化するため、顧客となる企業が経費削減姿勢を強め、企業向けサービスに対する需要を減少させることが背景にある。


4.サービス価格をどのように測るべきか
サービス価格調査における課題として、主に次の4つがあげられる。

(1)新しく登場するサービスの取り込み
(2)多様化するサービス価格のどれを調査していくか
(3)オーダーメイドサービスへの対応
(4)サービス価格の品質調整

新しく登場するサービスの取り込み
 新しいサービスが次々に登場しているために、基準改定時に新規品目の採用を行っている(例えば、2005年基準改定ではインターネット付随サービス等を新たに取り込んだ)。また、既存の品目内でも、新しい形態のサービス価格を新たにサンプルとして取り込むことも行っている(例えば、労働者派遣サービスにおける製造業派遣の料金)。

多様なサービス価格、オーダーメイドサービスへの対応
 サービスの価格体系は多種多様であるため(例えば、携帯電話の通話料や、フライト料金)、ひとつの決まった価格を単純に継続して調査することは適当ではない。そこで、どのような価格を調査対象とすべきかが大きな問題となる。また、オーダーメイドサービスとは、前述したとおり、サービスの内容が個別に毎回異なるようなサービスのことである。この場合、同一スペックのサービスを継続的に調査するという物価統計の原則をそのまま適用することが困難となる。

 このような問題に対する工夫として、日本銀行では、スペックの固定をある程度犠牲にすることで、継続的な価格調査ができるようにすることを優先している。具体的には、①平均価格(一定の条件で縛ったうえで価格の平均をとる方法。この方法では中身のバスケットが毎回多少異なり、短期のフレが大きくなるという欠点があるが、中長期のトレンドは把握できる)、②人月単価(サービスの取引金額を労働投入量で割って算出する。労働生産性に大きな変化が無いことが前提となる)、③モデル価格(仮想的な取引条件や内容を設定した見積価格を調査する。例えば、有料道路の料金では、複数の使い方を念頭に置いたモデル料金を設定する。ただし、近年の高速道路の無料化実験や首都高速等の距離別料金の採用など、モデルの再構築が必要になってしまうケースも生じている)等である。

サービス価格の品質調整
 物価統計の作成上、取引の変化等に応じて個別のサンプル価格を入れ替えていく場合、品質の違いによる価格差は調整したうえで新旧価格を接続することが望ましい。これを品質調整と呼ぶが、サービス価格の品質調整は、モノの価格の品質調整よりも格段に難しい。ここには、「サービスの品質とは一体何か?」という根本的な問題が存在する。CGPIも含めると品質調整手法としてはコスト評価法、オーバーラップ法、ヘドニック法等を利用しているが、CSPIで実際に品質調整が行われているのは、入れ替えとなるサンプル全体の30%程度に過ぎず、サービス価格の品質調整が如何に困難であるかがご理解いただけると思う。

5.より良い統計の提供に向けて

公的統計の整備を巡る状況
 公的統計の整備については、統計法の全面改正(2007年)以来、政府による重点的な取り組みが進んでいる。その中でSNA統計(内閣府)は基幹統計とされたが、CSPIやCGPIは、総務省のCPIと同様、名目付加価値額の実質化(デフレーター機能)を通じてSNA統計の精度向上にも貢献している。

サービス価格調査における企業への協力要請
 一方で、企業の統廃合等が進んでいること、外部への情報提供に対する企業のコンプライアンス面の意識が高まっていること(それ自体は正しい方向である)などから、個別企業に協力を依頼するかたちでの価格調査が難しくなってきている面もある。日本銀行では、企業の方々に物価統計の意義について正しくご理解いただき、統計作成にご協力していただけるよう、継続的な努力を行っている。

外部データの利用拡大
 また、外部データを利用するという試みも拡大している。外部データのうち、同一のサービス内容に係る価格を継続的に追えると判断したものは積極的に採用している。外部データの利用によって、個別企業の協力負担を少しでも軽減することが期待できる。

結びにかえて
 日本経済のサービス産業の実態は、いまだはっきりとは誰にも分かっていない。経済センサスの開始に伴いサービス産業の実態把握に向けた機運が高まる中で、日本銀行としても、サービス価格の面から統計の整備を続けていきたいと考えている。CSPIは、前述したとおりサービス部門の実質GDPの把握にも貢献できる統計であるほか、企業向けサービスに関する民間の値決め交渉や契約の場では参考指標(メルクマール)としても利用されている。そうした重要な役割をもったCSPIの拡充・見直しを今後も進めたい。

報告終了後には参加者から複数の質問があり、活発な議論が行われました。以下に紹介します。

質疑応答コーナー

質問1

 カバレッジが低いとはいえ、ひとつひとつの価格調査が大変だと思われるが、どのような体制で臨んでいるのか?​

回答 

 ​現在、物価統計課全体は40人程度のメンバーで構成されている。その中で毎月価格データを収集して統計を作るための人員は20人前後おり、業種に分けた担当制をとっている。そのほか、全体の指数動向の把握や公表事務、調査価格の入れ替えの取りまとめ、基準改定作業などに関わる人員がいる。
 CGPIとCSPIを合わせたサンプル数は12000価格程度であり、単純計算では1人当たり600価格程度を担当していることになる。収集した価格を単純に打ち込んでいくわけではなく、代表的なサービスが新しいものに移っていないかなどの精査も行うので、作業は複雑かつ高度である。ちなみに、同種の物価統計を作成している米国の統計機関(BLS)では日本銀行の6倍以上の人員がいると聞く。
また、基本的には各地域で調査員が店頭価格を調査しているCPIとは異なり、CGPI、CSPIは日本銀行本店内の物価統計課で一括して企業からの価格聴取を行っている。

質問2

 日銀HPで価格調査票の雛型ファイルを見たが、調査票はどのように使うのか。

回答 

 原則として調査票を企業に郵送し、企業に記入していただいたものを返送していただくという調査形態をとっている。価格調査票そのものは大変シンプルなものであるが、調査サンプルの入れ替え等が発生する際には、協力先企業と綿密な連絡を取り合う。

質問3

CPIは総務省で作成し、CGPIやCSPIは日本銀行が作成しているのはなぜか? 日本銀行の使命に「貨幣価値の安定」があると思うが、そのことと物価統計の作成はどのように関係しているのか?

回答 

 以下は個人的な見解であるが、諸官庁・日銀がどの物価統計を作成しているかは、一言でいえば、歴史的な経緯であると思う。大正~昭和時代には一時的に日本銀行がある種の小売物価指数を作成・公表していた時もあった。明治以来の歴史を持つ企業物価指数も、卸売価格やその背後の需給動向を知りたいという調査目的で日本銀行が開始した統計が現在まで残っているものである。とはいえ、ここまで長い間、統計の作成・公表・見直しを続けた結果、良い統計を作るための専門的な知識やノウハウは日本銀行内に豊富に蓄積されていると実感する。そうした経験とこれまでに皆様からいただいた信頼をもとに、今後も日本銀行がCGPIやCSPIを作成・公表し続けていくことに大きな意義はあると考えている。むろん、そうして作成した統計から得られる情報は、金融政策をはじめとする日本銀行の使命遂行のためにも積極的に活用されている。

質問4

 CSPIのウエイトデータに経済センサス活動調査を利用することが考えられると思うが、時系列で追う必要のあるCSPIではデータの断絶や段差の問題が生じるのではないか?​

回答 

​ウエイト自体は何のデータソースを用いるかにかかわらず5年に1度基準年で固定するため、次の基準改定まではその後のウエイト変化は追えない。また、5年に1度の基準改定では品目改廃等も行うため、そもそもそれに伴うデータの不連続はその都度発生する。日本銀行では、過去の基準年の指数を接続した遡及系列(接続指数)も公表しているため、中身にある程度の不連続があることを念頭に置きつつ、ユーザーが分析目的に応じてそれらを活用していただくことは可能となっている。 
 ちなみに、もし産業連関表の代わりに経済センサスを用いる場合、潜在的な問題点の一つは、CSPIのウエイト計算には必要な企業向けの取引額(比率)が経済センサスではおそらく直接的には分からないのではないかと思われる点である。そうしたことなどを考慮しつつ、CSPIのウエイトデータの選択については、今後慎重に検討していきたい。

質問5

人月単価は労働生産性に大きな変化が無いことが前提となっているが、生産性に変化があると思われる長期ではどのようにつないでいくのか? 基準改定の際に何らかの調整を行っているのか?

回答 

現状ではそのような調整は行っていない。労働生産性も非常に長い期間をとれば多くのサービスで変化していると思われるが、それを基準改定時に一気に反映することは適当でないほか、基準改定ごとに価格調査方法自体の見直しタイミングが先に来てしまう。

質問6

あるサービス(モノ)について、生産性が上昇する一方で価格指数が下がっている場合、そのような状態は望ましいと言えるのか? 生産性の上昇は望ましいように思えるが、価格が下落すればその産業の業況は厳しいのではないか?​

回答 

​ 個別のサービス(モノ)、あるいは個別の産業について、マクロ経済成長の観点から何が望ましいのかを判断する場合、実質ベースの生産性が伸びればそれだけで良い、といった単純な割り切りは難しい。マクロ経済全体では、中長期の物価が安定し、かつ実質成長率が持続的に伸びていく状況が理想であるが、個別産業レベルの議論はもう少し複雑である。
 例えば、介護サービスのように他産業対比で生産性上昇率が低いセクターのシェアが高まれば、その分、経済全体の生産性上昇率は低下するかもしれない。しかし、その裏では介護に対する潜在的な需要が満たされるという消費者の効用増加があるはずなので、これは国民にとって必ずしも悪い話ではない。むろん、介護サービスの生産性上昇率が企業のイノベーションなどで向上するのであれば、それは良い話である。一方、介護サービスについては、料金が規制等で低く抑えられていることが産業の発展を阻害しているとの見方もあり、もしそうだとすれば、市場メカニズムのもとでの均衡値に向けて価格が上昇することは同産業の成長に貢献する可能性がある。物価統計は名目付加価値額の変化を実質付加価値(生産性)と価格の変化に分ける働きを持つが、分けた後の生産性と価格の経済的な関係や、それぞれの動きをどう評価するのかはユーザーの分析に委ねられている。

質問7

個別のサンプル情報は開示されないのか。それができなくても、日本銀行自身が個別サンプルを用いた実証分析結果をリサーチペーパーなどのかたちで公表してくれると有り難い。

回答 

 協力企業の機密管理の保持の観点から、個別のサンプルに関する情報は開示していない。また、CGPIやCSPIでは、公表上の最小単位である品目指数の下にぶら下がっている個別のサンプル価格は、前述したとおり取引の実態に応じて頻繁に入れ替えており、そもそもデータの連続性が確保されない。
 一方、統計改善のヒントにつながるような、データ特性の定量的な評価・分析(例えば、品質調整の手法如何でどの程度指数動向は異なるのか、平均価格の採用により短期的な変動はどの程度拡大したか、など)は日本銀行自身も積極的に行い、一定の成果が出ればそれを学会に報告したり、対外公表したりしていきたいとは考えている。

司会 本日は長時間にわたり貴重なお話をどうもありがとうございました。 (拍手)

以上

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